ギャグテイストのホラーゲームシリーズを立ち上げます!
この記事は2022年7月28日に公開した怖くないホラーゲームの振り返りとクリア率集計記事です。
ネタバレを含みますので、一度プレイしてみることをお勧めします。無料のブラウザゲームだよ!
・怖いおばけも可愛くしたら問題ないよね!
https://hothukurou.com/game/ObakeGirl1/index.html
ホラーゲームが苦手な人でも遊べるホラーゲームを作る
夏ですね!めちゃくちゃ暑いですね!
そういう猛暑を吹き飛ばすような怖い話聞きたくないですか?
でも、怖いの苦手な人もいますよね。襲い来る危機から逃れようとする行動は人間の本能なのでこれは仕方ありません。
ただ、そういった怖い話はどうしても気にはなってしまうものです。この感情は「危険の原因を理解しておくことで安心することができる」という、人間の生存本能の一つでもあります。
人間の生存本能に訴求するようなエンタメは世の中多いですし、人気があります。子供のころに散々遊んだ鬼ごっこやかくれんぼなんて、「襲い来る敵から逃げたり隠れたりする生存本能」を刺激するコンテンツですからね。
ということで、ホラーゲームは「危険の原因を理解しようとする生存本能」を刺激するから、楽しいコンテンツとしては割と堅実なジャンルになるわけです。ただ問題は「危機回避本能」という別の本能が強い場合に中々楽しめないこととなります。
この危機回避本能をどうにかして迂回する対策が必要となります。今回はその迂回戦法を編み出しました。
それが「ストーリーテラーとしてコメディ調の人間を配置すること」と「ゲームの結末が怖くないことを示す」という作戦です。
一つずつ見ていきましょう。
ホラーゲームも面白おかしく語っていけば怖くないよね
youtubeでホラーゲーム実況はかなり人気のあるジャンルです。
実況者としては、阿鼻叫喚の素の表情を見せることができるため、例え同じホラーゲームを実況したとしても実況者によって差別化できるという明確なメリットがあります。
普段の仮面を外した実況者の素の表情を見ると、人は親近感がわくものです。
ただ、ホラーゲーム実況として有名なガッチマンさんのように、淡々と解説実況していく人でも人気があります。
実況者がホラーで驚く・驚かないの両方のパターンであっても、視聴者にとっては「危機を実況者にかぶせて、自分は安全なところからホラーゲームの一部始終を確認することができる」という危機回避本能を刺激しないでホラーゲームを楽しむことができるという明確なメリットがあります。
これをゲームでも利用しようと思ったわけです。
具体的にはゲーム中に「サングラスの胡散臭い中年男性を登場させて、コメディ調でシナリオを展開する」ということを本ゲームではやっています。
この時の中年男性の素材集をどこから集めようかなと鏡を見ていたら、適材がいました。そう、この人物素材は私です。
自分を素材にすると好きなポーズと表情がいくらでも作れるという素晴らしい発明を思いついたのです。
真夏なのに黒いロングコートを羽織ってサングラスをつけ、スマホの動画モードで散々ポーズをとったものをphotoshopで切り抜いてポーズ素材集を作成しました。10分たらずで大量のバストアップ素材をゲットできました。最高に手軽ですね。
怖い怪異が可愛くなれば怖くないよね
このゲームのタイトル「怖いおばけも可愛くしたら問題ないよね!」が全てを説明しているのですが、このゲームの結末は「可愛くなったお化けと同棲する」という明確な目的とオチが提示されています。
これなら危険がないことがわかるし、ホラーというよりかはラブコメに近い雰囲気になるわけで、危機なんて発生しないことが明確に伝わり、危機回避本能が生まれなくなるわけです。
まあ、ゲーム本編になると怖くなってしまうんですけどね!
ゆりかごから墓場まで持っていくかのように、コメディからホラーまでもっていくということを目指してこのゲームは制作しております。
まあ、最後は怨霊も可愛いお化けになっているので、結局ラブコメになってしまうんですけどね。
ちなみに、ホラーの手法として「最後の後味をめちゃくちゃ悪くして、後味を悪くする」という作戦をとることがあります。最後の印象が大きければ、話題になりやすくSNSで拡散されやすいからですね。
本作はこれもやめてみました。
例え怨霊に呪い殺されてゲームオーバーになったとしても、強引にコメディに引き戻して軽快な後味で終わらせようとしています。
口からエクトプラズマ吐いているシーンから始まるゲームオーバー後のノベルパートは、きっと怖かった体験が水に押し流されることでしょう。
あと、恐怖の共有もエンタメには必要な工程です。
強烈な体験の共有は人間が社会的に人とかかわって生きていくために獲得した快感の一つだからですね。
友達とライブに行ったら、ライブの感想を友達と共有する現象みたいなものですね。
お化け屋敷や心霊スポットに行った体験を嬉々として話す現象も、この快感に基づいているのでしょう。
おばけイラストは描いてもらった
今回、公開当時はおばけイラストを自分で描いていましたが、これは最初からうまい絵師さんに描き替えてもらう予定でした。
時間かければ自分でもそれっぽくかけますが、限界があります。
このゲームのウリは「お化けイラスト」にあると思っていたので、どうしてももっとうまい人に頼みたかったのです。
ただ、最初は自分で描いてからの方が絵師さんに頼むときの完成イメージがバッチリ決まってよいなと思っていました。結果的にこの方法は成功でしたね。
また、自分のヘタウマな絵をみれば、「これなら俺のほうがうまいな」という絵師さんが出てきてくれると思っていました。東方やひぐらしのなく頃にもこんな感じで作者の絵からめちゃくちゃうまい絵師にアップデートしていったはず。
「隗より始めよ」作戦ですね。
ということで普通に自分の絵で一旦ゲームを公開してから、絵師さんを募集することにしました。
ついでにプレイ感想をもとにゲームシステムを大幅に作り直したのです。
「完成してから再度更新する」という手法、無料で遊べるブラウザゲームだからこそ使えるとんでも戦法ですね。有料売り切りだと絶対にできない戦法です。
この方法は小規模テストプレイに比べてより解像度の高いフィードバックが得られるので、その後の更新はとてもよくできたと思います。
あと、プレイヤーはリアルタイムにゲームが面白くなっていく過程を覗き見ることができるので、リアルタイムの臨場感を楽しめる効果があると思っています。
この世界はエンタメがあふれていて、頑張って時間をかけたコンテンツでも秒で消化される「コンテンツ短期大量消費社会」だと思うのですが、そういう時代だからこそリアルタイムで一体感を感じる熱狂的体験はとても重視されるものだと思っています。
本当は制作過程を生配信する方がよさそうだと思っていますが、時間と手間が惜しくてやらなかったので、今後の課題ですね。
ちなみに今回得られたフィードバックから抽出した問題点はこんな感じ。
実は、もともと「チュートリアルステージに、難しいパズルを設定」してしまったり、「ホラーパート本番が1ステージしか用意していないから、怖いお化けが可愛くなる過程が見えない」という問題点があったのですね。
これをイラスト描き直しに伴い修正しました。
絵師さんの力ってすげー!
早速公開後に「差し替えイラストを描いてくれる方募集!」と告知をかけたところ、
町元ケイさん という方にお化けイラストを描いてもらえることになりました。
短い納期ながら非常に魅力的に怖くて可愛いお化け娘を描いて頂きました。
ゲーム本編でご確認いただくと、この怖いお化けがパズルを解くたびにだんだん可愛くなっていくさまを確認することができます。
ぜひ、パズルを解いて可愛くなったお化け娘の姿をご確認ください。めちゃくちゃクオリティが高いですよ!
ちなみに、このゲームの次回作を8月末までに公開したいのですが、そちらのイラストを描いて頂ける方も募集しています。
詳しくはゲームページの中段に描いています。謝礼1万円出しますし、足りないようなら2倍3倍も出しますので積極的にご応募に提示いただけますと幸いです。
一応、画風がいけそうか僭越ながら審査させていただきますが、もし条件合わずにお断りさせていただく場合でも「ごめんね」とたくさん送って心的ショックの軽減に努めますので奮ってご応募ください。
・ゲームページ
https://hothukurou.com/game/ObakeGirl1/index.html
ゲームのクリア率集計
それではゲームのクリア率集計に移ります。
まずはこの場面。
ドアを開けた確率
序盤のチュートリアルステージをクリアした後、扉をちゃんと開けたかどうかを調べてみます。
こういう選択肢だと一度は「帰る」を押して反応を確かめてみたくなるものですが、例え「帰る」を押した後でも改めて「ドアを開ける」を押すと「扉を開けた」として判定します。
果たして、どれだけの人がビビらずにドアを開けたのか!!!!!果たして!!!!
計測期間:2022/07/31~2022/08/03
ドアを開けた率:99.56%
ほぼすべての人がドアを開けていました。まあ、その前座がコメディで進んでいくため、ドアほぼすべての人がドアを開けるのでしょう。
ちなみに、一度でも「帰る」を押した人は50%いました。RPGのダンジョン攻略を隅々まで探索して宝箱を探すタイプですね。自分もそうです。
ステージクリア率
次にステージクリア率を集計してみましょう。
絵柄差し替え後の全13ステージ構成での、各ステージ到達率を確認してみます。
ちなみに、各ステージ到達率は計測できたものの、最終ステージのクリア率を計測し損ねるという痛恨のミスをしでかしてしまったので、最終ステージクリア率は別日に集計したものを使用します。
計測期間:2022/08/04
stage1~3まではチュートリアルステージで、stage4~13が後半のホラーステージとなります。
stage3到達率とstage4到達率の差は他に比べて多いのはホラーが怖くなった人がいたためでしょうが、軽微な差にみえます。
stage5到達率とstage6到達率に差が開いていますが、これは「stage5から本格的に怪異が顔を出すため、ビビってしまって離脱した割合」と考えられます。
stage4は実は他ステージに比べてお化けが出にくい仕様なので、低下率が低かったのだと思います。
また、後半のstage9到達率以降が低くなっていますが、これはパズルの難易度がこのあたりから高くなってしまうことが考えられます。
といいつつも、最終ステージstage13到達率が53.96%もあるので、何度もプレイしてパズル攻略を頑張ってくれた人が多いのかなと思っています。
そして、次の日である2022/08/05に集計した、最終ステージクリア率は以下のようになりました。
最終ステージクリア率:49.46%
難易度を高くしたにも関わらず、二人に一人はクリアできています。
近い例として、ホラーパズルゲームである「雪山の山荘と記憶パズル」のクリア率は2022/08/06時点で37.2%なので、想定よりも高めのクリア率です。
・雪山の山荘と記憶パズル
https://hothukurou.com/game/Memory/index.html
なぜここまでクリア率を高くできたのか。それは・・・!
やはりコメディ+ホラーゲームは一定の需要があるということではないでしょうか!
まとめ
以上で、怖いおばけも可愛くしたら問題ないよね!の振り返り記事を終わりにします。
このゲームは元からシリーズ化を前提に制作していくので、次回作制作に励んでいく所存です。
怖いおばけ、可愛いお化けを描いてくれる絵師さんも絶賛募集中なのでお気軽にご応募いただけると幸いです。まってるよ!
・怖いおばけも可愛くしたら問題ないよね!