この記事では、2025年5月4日(日)に開催された東京ゲームダンジョン8に出展した時の準備スケジュールや苦労した点や振り返りなどを書きました。
人生ではじめて展示会にゲームを出展したので、展示スペースの準備から展示物の製作など試行錯誤の連続でしたが、結果的になんとか展示することができました。
この記事を読んで「自分も出展してみようかな」と興味を持ってもらえると嬉しいです。
人生で一度はゲーム出展してみたかった
普段、私は自作のブラウザゲームを月一で自分のサイトに公開する活動を続けており、Unity RoomやSteam、App Storeなどの特定のプラットフォームに投稿しない、ネット引きこもり気味な創作スタイルを長く続けていました。
2025年になり、「そろそろちゃんと時間取って活動の幅を広げてみようか」と思ってスマホアプリ制作などの新しいことにチャレンジしていたのですが、その一環として「展示会に出て自分のゲームを直接宣伝してみたいな」と思ったことが展示会参加の理由です。
知り合いに聞いてみると「東京ゲームダンジョン」というイベントが今一番活気があるとのこと。東京ゲームダンジョンは東京浜松町で行われているインディーゲームイベントであり、過去遊びに行った時は「個人でゲーム制作している人とそれを遊びに来た人が仲良くなれる場」という雰囲気がありました。
普段インターネットで多くの人にゲームを公開していますが、たまにはオフラインで面と向かってゲームを遊んでユーザーと繋がれる機会があるのもよさそう!ということで今回参加を決めました。
これから展示内容を決めたり、それを展示する展示スペース作りのための道具を購入する準備が必要ですが、「まあなんとかなるだろう!」と思って……。
参加申し込みから準備スケジュール
スケジュールはざっとこんな感じでした。
3/1 参加申し込み開始
(この期間で、何をメイン展示するか決める)
3/16 サークルカットと展示内容提出(PV提出1回目)
(このあたりから、4/4のSteamストアページ公開を目指してストアページ制作作業をはじめる)
4/4 東京ゲームダンジョンの出展者一覧ページ公開
4/4 出展オプション受付
(4/13までにちゃんとしたPV制作する)
4/4~4/13 出展情報再提出期間 (PV提出2回目)
(このあたりで開催前までに展示ゲームの制作や、展示スペース用の機材を購入したり、ポスター・チラシを作ったりする)
5/4 開催!
以下、具体的な準備を書いていきます。
参加申し込みはすぐに売り切れる
東京ゲームダンジョンの出展申し込みは先着順となっており、毎回すぐに売り切れると話題になっていました。なので前日は仕事終わりにPCの前に張り付いて、3/1(土) 0:00ちょうどから最速で申し込みを行いました。おそらく当日に参加申し込みで悩んでいるとすぐに売り切れてしまうと思われるので、悩んでいるくらいだったら申し込んだ方が良いと思います。展示する内容はそれから考えればいいので!
展示内容を考えた結果、Steam向けに新作ゲームを作ることにした
申し込みが済んだ後は、3/15までにどういった展示を行うか決めなければいけません。
普段ブラウザゲームを主戦場として制作しているのですが、今回のような展示会では魅力的なSteam向けゲームを展示した方が会場の雰囲気とも合っているだろうと思い、以前ブラウザゲームとして公開していた「ダンジョンデストロイヤー」をSteam向けにパワーアップして展示することに決めました。

さて、このゲームはもともとスマホでも遊べるように縦長サイズになっています。
これをSteam用に公開するわけですから、画面レイアウトの再考から作業がはじまることになりました。
ということで、3/15サークルカット画像制作ギリギリまで画像レイアウトの変更や、UIの調整などを行っていました。Steam版では新しいギミックとして「踏んだら発動する罠」という要素を入れることにしたのですが、3/15時点ではまだUIだけで効果は実装できていません。
ゲームの雰囲気を掴むために本当にガワだけ作った形になります。

そして、画面レイアウトの調整や「わかりやすいUI作成」に力を入れまして、
3/16の締め切りギリギリにサークルカット画像を提出しました。
この時点でSteamストアのProduct IDも書くことができる欄がありましたので、早速記入して提出してきました。これは東京ゲームダンジョンの出展者情報に掲載されるSteamストアページのリンクになるようです。
この時点ではまだストアページはないのですが、Product IDだけは簡単な登録だけで取得できたのでそのIDを記入して提出してきました。
この時点でゲームの紹介動画も提出できるのですが、そちらは時間がなかったためとんでもない奇妙キテレツな宣伝PVを提出していました。のちに差し替えています。
Steamストアページは早めに審査出した方がいいよ!
出展者情報の提出が終わった後も、Steam版ダンジョンデストロイヤーの製作は進んでいきます。
次の目標はSteamストアページ公開です。これも人生初の作業になるので、その準備にとにかく時間がかかりました。
4/4に出展者情報が公開されます。その時にSteamのストアページもリンクされるため、その前にストアページを公開していた方が望ましいです。
ゲーム自体の開発も進めていきつつ、ストアページ作成の必要情報や画像を作成していくので中々に苦労しました。
事前情報だとSteamストアページは「1日あれば受理されるよ!」と聞いていたので完全に油断して3/31にストアページ作成してSteamに審査リクエストを投げたのですが、実際は3~5日かかるようだったので、完全に誤算でした。
その上提出画像に不備があり4/3に再審査となってしまったので、慌てて修正を行い提出したところ、4/4の公開時には間に合いませんでした!やらかしました!!!
ただ、Steamさんの温情により4/5(土)に無事に審査がとおり、Steamストアを公開することができました。1日だけなら誤差かと思っていましたが、これがのちにトラブルの原因にもなったので、やはり出展者情報公開までにはちゃんとSteamストアページの審査を通して公開できた方がいいです。
Steamストアページ公開したなら、プレスリリース出した方がいいよ!
ゲームを買ってもらうためには、当然宣伝して多くの人に知ってもらうことが必要になるのですが、その手段として「メディアにプレスリリースを送る」という方法があります。
インディーゲーム制作におけるプレスリリースを送る機会について以前メディアの方に伺ったところ「Steamストアページを作成した時」と「正式公開した時」の二回であるという話でした。
ということは、このSteamストアページ公開はプレスリリースを送る絶好の機会ということになります。
しかしながら、Steamページ公開は4/5(土)。つまり普通の会社ならば休日である土曜日でした。そうなると当日掲載は不可能なため、当日にプレスリリースを送っても掲載される可能性が下がってしまいます。月曜日に繰り越して掲載される可能性もありますが……。
……と思っていたのですが、幸運なことに二社からプレスリリースを掲載していただけました!
しかもgamewriterさんは土曜日当日に掲載してくれました!ありがとうございます!
ダンジョンを掘って作り変えるパズルローグライクゲーム『ダンジョンデストロイヤー』がSteamストアページを公開(ゲームライターコミュニティ)

https://gamewriter.jp/2025/04/05/dungeondestroyer/
ダンジョンを破壊し,再構築する「ダンジョンデストロイヤー」,Steamストアページを公開。ブラウザ版より大幅にバージョンアップ(4Gamer)

https://www.4gamer.net/games/899/G089900/20250407008/
これは嬉しい限りです!たとえ土曜日にSteamストアが公開されたとしても、プレスリリースを書いて送ることは大事だと思います。その代わり、メディアの方から見ると土・日・月に送られた3日分のプレスリリースの中から魅力的なプレスリリースを選別して月曜に公開することになりますので、できることなら平日にSteamストア公開していることが理想だと思います。
マジメにPV作った方がいい
4/4~4/13は二回目の出展者情報修正期間でした。
この期間に本来ならば魅力的にゲームを紹介できるPV動画を作成するべきなのですが、私は「行方不明になったゲーム制作者を探すために、彼女が残したローグライトゲームをプレイする」というゲームの制作を行っており、ダンジョンデストロイヤーのPV制作をすっかり忘れておりました。
このゲームは前から作りたかった「Webサイトを巡回して、彼女が残したローグライトゲームを遊び、隠しメッセージを探す」というコンセプトを形にしており、めちゃくちゃ力を入れていました。



このようなゲームを制作していたので、4/13のPV動画提出期限に気が付いた時は焦りました。
この手の締め切り情報は東京ゲームダンジョン公式discordで適宜告知されるので、こまめに確認するとよいです。私は何度か助けられました!
ということで4/13の提出期限ギリギリに紹介PVを急遽作り直しました。でも、PVは展示会当日含めていろんな場所で見せられるため、ちゃんとPVはしっかり考えて制作した方が良いと思います!!!
出展オプション受付は速攻で売り切れるので、準備すると吉
東京ゲームダンジョンでは展示スペースで使うためのポスタースタンドなどをレンタルすることができます。
初出展で何も道具がない人にとっては助かる!と思っていたのですが、開始12時間後にはディスプレイ・ポスタースタンド・テーブルクロスの「展示三種の神器」が全部売り切れていました。
とはいえ、「追加の椅子」と「ポスター展示場所」は注文可能であったため、これは必要と思い注文してきました。実際、この二つとも役に立ったので、次回参加する方は忘れずに注文するとよいと思います。
展示に必要なものを購入して準備する
さて、東京ゲームダンジョン開催日2週間まえから展示に必要な物品の購入が必要になります。
私は今回以下のような布陣で臨みました。これはおうちで予行練習した時の写真です。

初出展のみなさんはぜひ真似しておうちで展示会の予行練習をしましょう。
私はこの予行練習のおかげで背後に吊り下げるポスターが写真にあるA2サイズだと小さすぎることがわかったのでA1サイズで印刷し直しました。
さて、ここでどんなものを購入したのか解説していきます。
ちなみに、先述したレンタル品の型式やサイズを確認することで、当日どんなものが必要か把握できますので、レンタル品を確認して同じものを購入するのがおススメの方法です。
PO.SU.TA 2セット
コミケでよく見る、ポスターをぶら下げるための台です。大きなもので目立つことは良いことだと思ったので2セット買いました。ふりかえりで後述しますが、1セットでもよかった気がします。ただ、細パイプの組み合わせで作るので、かさばらない点が嬉しいです。
製造元のマルダイ公式で購入すると安いですが、イベント前後では納品スケジュールに変化があるので、公式サイトを確認してイベント当日まできちんと手元にあるようにした方が良いと思います。

A4 POPスタンド
テーブルの上に載せてA4ポスターを表示するスタンドです。頑張ったらA3ポスターも展示できました。
リーズナブルな価格なのでオススメです。

テーブルクロス
東京ゲームダンジョン8ではデカ机スペースとして長机を丸々一つ使うことができたので、テーブルクロスは大きめのものが必要でした。
調べた限りだと一枚だけですっぽり覆うことができるテーブルクロスで安いものがなかったので、私は二枚のテーブルクロスを組みわせて使うことにしました。テーブル表面だけでなく、足元もすっぽりと覆えると見栄えが良かったです。

電源タップ
東京ゲームダンジョン8の出展規約より、当日は3mの電源タップの持ち込みが必要と書かれていたので購入しました。3mあれば何でもよいと思います。

ちなみに、フルHDディスプレイは普段自宅で使っているディスプレイを持っていくことにしました。
この時、自分の持っているキャリーバックにきちんと入ることを事前に確認しておくとよいと思います。入らないと悲惨なので・・・!

ポスターやチラシの印刷
PO.SU.TAで吊り下げるポスターはA1にしました。大きいは正義なのでA0も検討しましたが、A0サイズは自分の持っているキャリーバックに入らないことがわかっていたので諦めました。折り畳みできるタペストリーならばA0,B0でもよかったですね。
チラシは300部刷りました。300刷ればまずなくならないとのことで、実際余りました。
刷れば刷るほど単価が安くなるので、次回も使うことを踏まえて大量注文するのも悪くないかもしれないですね。
ちなみにA1ポスター印刷はアクセアというサイトが安いし即日印刷してくれるとのことで、土曜朝に頼んだところ翌日の日曜夜に届きました。早すぎる!!!すごい!!!!!
ここまで準備すれば、後は展示するゲームを遊べる状態に持っていきつつ、当日のための宣伝ポストをしていきます。こんな感じで会場のどこにいるのかを画像で示すとわかりやすかったです。

東京ゲームダンジョン参加するとSteam特設ページにゲームが掲載されます!!!
東京ゲームダンジョン8参加の恩恵として、参加タイトルはSteamに特設ページが掲載されます。
これにより、ゲームへの注目度が高まると共にウィッシュリストの登録数も増やすことができます。これはすごい!!!!
ただ私の場合は、先述した4/4時点でSteamストアページが公開されていなかったことで、この特設ページ追加されていないというトラブルがあったのですが、Discord依頼をしたところ無事に掲載していただけました。やはりSteamストアページは早め早めに出した方がトラブルなくて良いと思います。
もっといえば、自分が掲載される出版物は早めに全部目を通した方が良いということですね!

https://store.steampowered.com/curator/44802688/sale/TokyoGameDungeon8
東京ゲームダンジョン当日に起きたこと!!!
ここからは当日!!!!
朝9:30に出展者入場なので、20分前から待機して早速入場して設営しました。
ポスターの貼り付け位置をレンタルしていたならば、早い者勝ちでポスター貼り付けできるので、早いうちから準備するとよいと思います。チラシも会場入り口に設置しました。
「一度に二人まで同時プレイできた方がよさそう」とのことで7年前に購入したパナソニックのノートPCを急遽持って展示用としました。自分のアプリは古いPCでも動くのでこういう時得ですね。結果的に常に遊んでくれるお客さんで埋まっている状況が続いたため、これは大正解でした。

無事展示準備が終わったので、後は待つのみ・・・!
お客さん結構来た!チュートリアルの不親切さがわかったので口頭説明追加した!
12時からの一般公開でお客さんが入ってくると一気に忙しくなりました。
だいたい二つのゲームスペースが埋まり、プレイしてくれる状況が続きます。
ただ、最初にプレイしてもらったときにこのゲームの遊び方がチュートリアルだと理解してもらえないことが判明しました。
これはまずいと、それ以降はチュートリアルステージを遊んでもらいつつ制作者自ら解説を入れる運営に変更しました。これはちゃんとチュートリアルステージを誰かに遊んでもらうべきだったですね・・・!
さて、このダンジョンデストロイヤー、パズル+ローグライクという類似ゲームがない異色のジャンルであり、見た目が地味なので、メディアの方はあまり来てくれなかった一方で、実際に遊んでくれたお客さんから好評でした。ただ、「ちゃんと遊び方を伝えたら、楽しんでもらえた」という話なので、「新しいゲームの遊び方を理解してもらう導入は必須」でした。また、チュートリアルにも関わらず、後半のステージがそもそもパズルとして難易度が高すぎたので、この点も反省ポイントです。
あまりにも難易度が高すぎたため、チュートリアルステージをクリアするだけでも達成感がひとしおになる現象が発生した位なので、
やはりチュートリアルステージは誰かに遊んでもらってフィードバックを受けることが大切だなと思いました。

普段ネットでしか会わない人が挨拶に来てくれた!嬉しい!
普段SNSやDiscordでしかお会いできない人がわざわざ会いに来てくれたことも嬉しかったです。
あ、「こんな有名な人も自分のこと覚えていてくれたのか!」と嬉しくなります。
インターネットの繋がりのみで、今回はじめてお顔を拝見する方も多かったです。
挨拶に来ていただいた後で、ハンドルネームでわかる場合もあれば、名刺をいただき、そこに書かれたアイコンとSNSのアイコンを一致させることではじめて「あ~〇〇さんですね!先日はリツイートやゲームの感想ありがとうございます!」と挨拶する流れになっておりました。
このインターネット上で知っていた相手と実際にお会いして話せる機会がとても新鮮で、それだけでも展示会に参加した意義はあったと思います。実在を知り、有機的につながったことで制作者としてのモチベーションが一段階上昇していく感覚でした。
また、「作っちゃうおじさんですよね?」と普段ブラウザゲームを遊んでいただいている方からも声をかけていただくことが多く、その点も嬉しかったです。
一度「作っちゃうおじさんって方、いますか?」と尋ねられた方がいて、「はい、私ですけど」と答えると「えっ!おじさんと言ってるのにお若いじゃないですか~」と返答された方もいたので「作っちゃうおじさん」というハンドルネーム自体で誤解させてしまうことも多かったかなと思いました。私はFLASHゲーム自体からゲームを制作していたので、その影響もあったのかもしれません。
ともあれ、たくさんの方と交流しつつ、無事に17:00に終幕となりました。最後運営者からの「これにて、東京ゲームダンジョン8、終了いたしました!」との声で大拍手が起こったことも印象的です。これぞ一体感といいますか、リアルイベントだからこそ味わえる連携感だなと思いました。
30分ほどで展示物を片付け、無事に撤収できました。

その後の懇親会で飲んだビールがとてもおいしかったです!ビール最高!!!!
振り返り 作者アイコンをもっと大きく見せるとよさそう
以上で東京ゲームダンジョン8出展振り返り記事を終わります。こう振り返ると、色々な失敗がありつつも、はじめての展示ながら無事に盛況でよかったなと思います。
せっかく展示物セットが整ったので、8月に開催される次回の東京ゲームダンジョン9にも出展しようと思います。
最後に「作っちゃうおじさんどこに展示していたのか見つけるのに苦労したよ。何度か前通ったけどスルーしちゃった」というご指摘を後日いただきました。
展示写真には、作っちゃうおじさんのアイコンは書いてありましたが、それでも何人か私の場所がわからくてスルーしてしまったようです。
やはり展示物が多い空間では情報処理量がパンクしやすいため、「自分のアイコンを大きくわかりやすいポスターで展示することが求められるようです。
この写真例であれば、左奥にある「作っちゃうおじさんのホームページを一部印刷したA1ポスター」は遠くから見ると視認性がわるいので、この部分をそのまま作っちゃうおじさんのアイコンにしてもよかった気がしますね。
これは次回出展時に活かしたいと思います。

以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました!
今回展示しましたパズル+ローグライク ダンジョンデストロイヤー、この夏公開を目指しますのでぜひウィッシュリストに登録してお待ちください!!!
・パズル+ローグライク ダンジョンデストロイヤー

https://store.steampowered.com/app/3596100/_Dungeon_Destroyer/?l=japanese
また、4月に公開したスマホからでも遊べるWeb探索ブラウザゲームもお時間ある時にぜひ遊んでみてください!謎解きゲームの謎解きが全部サイコロを用いたローグライクゲームになったり、デッキ構築ローグライクゲームになっていたりするので、ゲーム好きにあなたにオススメです!
・行方不明になったゲーム制作者を探しています
