12年もゲーム制作してたのか・・・!
まえがき
この記事は2022年4月25日に公開した、ダンジョン攻略RPGパズル PuzzleRPGJSのクリア率集計記事です。ネタバレ全開なので、まずは実際に遊んでみてからこの記事を読むことをオススメします。
・ダンジョン攻略RPGパズル PuzzleRPGJS
https://hothukurou.com/game/PuzzleRPGJS/index.html
2010年、大学生2年生のころに私は本格的にゲーム制作・公開を行うようになりました。
Puzzle RPGはその12年前に公開して、自分がはじめてバズったFLASHゲームです。
当時はFLASHゲームかRPGツクールなどで制作したダウンロード形式のフリーゲームが主流だったと記憶していて、自分もめちゃくちゃ遊びまくりました。
カタテマさん作「愛と勇気とかしわもち」や「タイムアタック!RPG」で「衝撃展開を挟むことで興味関心を持っていく展開の工夫」を学び、
ポーンさん作「少女と囚人のジレンマ」や「雪道」で「シンプルな内容でも、いくらでも世界観を広げて感動させることができる」ということを学んだのです。
面白いものには近づきたくなるもので、当然のように自分もゲーム制作しようと思って、高校生くらいからプログラミングを手探りで始めました。
自分の今制作しているゲームの趣向は、どうもそのころ感銘を受けたゲームが礎になっているように思います。
上記で説明したゲームはダウンロードゲームですが、ブラウザで遊べるゲームについてはかなり大規模な振り返り記事を書いているので、自分と似たような境遇の人は読んでみてとても共感してもらえると思います。
12年前のPuzzleRPGを振り返って
12年前に制作したPuzzle RPGを今見返して思うのは、シンプルなルールながら、ステージ構成がとても多様にできていた点です。それこそめっちゃ自画自賛しちゃうくらいに!
また、「すぐに理解できる簡単なルール」と「一画面にすべてのマップを表示する情報完全公開」の二点がこのゲームをとてもとっつきやすくしていいます。これが非常にうまくいっていました。
比較として、当時このゲーム後に公開した、一画面に収まらない広大なマップを用いたゲームである「超RPG」はかなり面白くなかったです。
おそらく、手のひらに収まる程度の謎の規模にとどめることが面白いパズルゲームを作る一つのコツなのだと思います。
「簡単にクリアできるでしょ!」と舐められる程度の見た目が一番楽しくプレイできるものなのではないか。そして、実際にプレイすると難しいという、うまい塩梅を狙っていくことが面白いパズルゲームに必要な調整なのかもしれません。
そして、面白いゲーム性に付け加えて、当時はそこそこ斬新だった「ゲーム内で迂闊な行動をとると衝撃的なバットエンドになる」というストーリーのつかみも上手くいきました。
いわゆる「突然の展開で心揺らしてつかむ」という作戦を自分は大好きで、12年後の現在に至るまで隙あらばこの手法をゲーム内にぶち込むことにしています。
ただ、今回リメイクバージョン公開の感想を眺めていると、シナリオはオチがよくわからないという指摘がありました。当時はきれいなオチをつけるコツを理解していなかったため、こればっかりはしゃあないと思っています。
シナリオについてしっかり考えられるようになったのは、ハリウッド映画の脚本作成術として有名なSAVE THE CATという本に出会ってからです。この本をもとに、話にうまいオチをつけるための考え方を学ぶことができました。
その時の備忘録を記事にしたのが以下の記事です。まあ、この記事は本書のほんの一部分を自分が再解釈したものなので、シナリオ作成に興味ある方は実際に本を買って読んでみることをお勧めしますが!
さて、当時の思い出もほどほどにして、クリア率集計に移ります。
PuzzleRPGクリア率集計!
2022年、Puzzle RPGをリメイクした「ダンジョン攻略RPGパズル PuzzleRPGJS」を公開しました。
今回はこのゲームのクリア率集計を行い、パズルゲームってどこで人が離脱していくのかを考えていきます。
どこで離脱しそうか
PuzzleRPGは主につまりポイントが4つあります。
(1)ステージ11のバッドエンドギミック
道中薬を取ってしまうとこのエンディングに行きます。12年前はこのバッドエンドを回避する方法を知る導線が少なかったのですが、今作では丁寧にHINTテキストを追加してフォローに努めています。
また、そもそもステージ11に入った時点で何が起こったのかわかりずらいという意見を聞いていたので、「You are poisoned」と画面に表示して「あなたは毒状態だからバッドエンドに行きますよ!」という事実をわかりやすいようにしました。
よって、ここであきらめる人はかなり減ったと思いますが、果たして・・・!
(2)ステージ0からゲームがループするバッドエンドギミック
何も考えずにこのゲームをクリアすると、ステージ20クリア後にステージ0に戻ってしまい、そこからバッドエンドになってしまいます。
このループから抜け出して真のエンディングに到達するためには、ステージ13以降に登場するテキストから謎解きをしなければいけないのですが、これがそこそこの難易度なので詰まってしまう方も多いかと思います。
一応、ステージ20クリア後のクレジットには「これはgood endではない」と英語で書いているので、真エンドの存在を示唆しているのですが、ちょっと導線が細すぎた気もします。
(3)ステージ9、ステージ17の高難易度ステージ
12年前は、ステージ9,17が高難易度過ぎて中々に苦戦しているコメントをよく見ていたため、おそらく今回も同じようにこのステージで詰まってしまう人もいると思います。
ステージ9が難しい理由は「思い込みを利用したミスディレクション」を入れているためです。
この手のパズルを解くとき、脳内でシミュレーションを行うと思うのですが、その時にたいていは不要なルートを枝刈りして脳のリソース削減を行っているものです。この枝刈りされそうなルートに正解を隠すことに成功したのがステージ9なのです。
まあ、このゲームは試行ルート数が少ないパズルなので、全パターン試せばあっさりと正解ルートを見つけてクリアできてしまうのですが!
これを踏まえて、実際のクリア率を確認してみましょう。
このゲームを公開した2022年4月25日のプレイデータを公開します。
果たして!
公開初日のクリア人数グラフ
google analyticsで集計できた、各ステージのクリア人数です。
loadは、ゲームページをロードした人数を示しています。
loadとstage1にかなりの開きがあるのは良くある傾向でして、「ページだけ見てゲームをプレイせずに離脱する人は結構いる」という動きになります。プレイした人数でクリア率の集計を取りたいため、その母数は「ステージ1をクリアした人数」で行います。
案の定ですが、ステージ9のクリア率が一気にがくんと下がっています。
ステージ8のクリア率 (stage9 clear)/(stage1 clear)は70.51%ですが、
ステージ9のクリア率 (stage9 clear)/(stage1 clear)は46.79%でした。
めちゃくちゃクリア率が落ちていることがわかりますね。
離脱率を下げることを目的とするならば、その対策は「クリアできそうな難易度にすること」や「ヒント機能を追加する」「コメント欄などで教えあえるフォームを設置する」ことが必要になるのかなと思います。
基本的にパズルゲームって、解けないと諦めたら抜けてしまうものです。クリア難易度を落とすという方法が最も簡単な対策ですが、どちらかと言えば諦めた後のケアをどうするかという対策をした方がゲームを通じたコミュニティの活性化には一役買いそうな気がします。
ちなみに4/25~4/28の期間でも集計データを集めたところ、
ステージ8のクリア率 (stage9 clear)/(stage1 clear)は70.05%ですが、
ステージ9のクリア率 (stage9 clear)/(stage1 clear)は48.70%でした。
ちょっとだけステージ9クリア率が上昇しています。再チャレンジしてくれたプレイヤーが増えてくれたのかもしれませんね。
意外な点としては、ステージ11クリアとステージ21クリア人数がほとんど減少していないことでしょう。
ステージ11はかなりクリアまでの導線を張っていたため、予想通りなのですが、ステージ21のクリア人数が落ちていない点は驚愕する点でしょう。ヒントがあまりない状況でよくクリアできたなと思います。
まあ、公開初日でここまで到達する人たちはもう謎解き精鋭部隊なので、趣向があっている謎だからこそ脱落者が出なかったのかもしれないですが!
以外な点としては、ステージ15のクリア率が低いことです。
ステージ14のクリア率 (stage14 clear)/(stage1 clear)は40.38%ですが、
ステージ15のクリア率 (stage15 clear)/(stage1 clear)は32.69%でした。
少なくともデータ上を見る限りでは、ステージ17よりもステージ15の方が難しいことがわかります。
確かにこのステージは難しいか・・・!
ちなみにステージ17のクリア率を求めますと、
ステージ16のクリア率 (stage16 clear)/(stage1 clear)は32.05%ですが、
ステージ17のクリア率 (stage17 clear)/(stage1 clear)は30.13%でした。
ほとんど減っていないですね!
まあ、後半のステージに進むほど、そこまでのステージをクリアできる精鋭部隊が集まってくることになるので、離脱率もどんどん減っていくのかもしれません。
ちなみに余談ですが、ステージ11のバッドエンドを見ないでクリアされた方が5.1%いました。
あのトラップはふつうにプレイすれば100%ハマるように作っているので、おそらく前作をプレイしたリピーターの方でしょう!
まとめ
以上でPuzzle RPGのクリア率振り返りと、12年前当時の振り返りを終わりにします。
当時flashで制作したゲームをスマホでも遊べるようにリメイクした際に、スマホ最適化のためのUI改善を行った。結果、スマホでも違和感なく楽しく遊べているようなので、うまくいったようです。
スマホで遊べるようにするため、「フリックでぬるぬる移動できる演出」と「undo機能」が必須だったのですが、これは1日であっさりと完成してしまいました。12年前はこの手の機能を実装する余裕はとてもなかったのですが、技術力や設計力はこの12年でだいぶ成長したのかなと嬉しくなりました。
また、情報表示UIもだいぶ進化しました。LIFEの数やキャラのレベルなど、必要な情報は見やすい位置に表示しているため、当時よりもだいぶ遊びやすくなったはず。これも、過去の経験の積み重ねから最適解を発見して実装しています。
さて、本日は4/29、GWが始まったばかり。
作っちゃうおじさんのゲーム置き場には、GWの暇つぶしに最適なブラウザゲームが揃っていますので、どんどん遊んでもらえると嬉しいです。
もっと余力がある人は、ゲーム制作を始めてみるとよいと思いますよ!
・ダンジョン攻略RPGパズル PuzzleRPGJS