ゲームシステムのひらめき方を考える

あのひらめきをもう一度・・・!

あらすじ あほげーに参加した

1日でゲームを作るイベント、あほげーに参加した。

2011年から4か月に1回のペースで開催している、老舗のゲームハッカソンである。

私が大学生のころに第一回が開催された。以降私はほぼこのイベントが開催されるたびに参加している。

・あほげー公式ページ

あほげー公式ページ(https://ahoge.info/

あほげー第1回が始まった2011年当時、ほとんどの作品がFLASHゲームであった。FLASHは当時まだ現役だったのだ。

2014年位から徐々にunity製のゲームが姿を見せ始めた記憶がある。当時unityは目新しかった記憶があるが、今ではゲーム制作のメインストリームとなった。

対照的に、脆弱性を指摘されたFLASHはブラウザに搭載されなくなってしまい、衰退の一歩をたどることになる。

FLASHの衰退と共ににブラウザゲームは徐々に陰をひそめていった。自分みたいにJavaScriptへ移行した人は少数派で大多数はiPhoneやAndroidアプリ化の方向に舵を切っていったと記憶している。

このあたりのブラウザゲームの歴史話はまた次回書いていく。ともかく、あほげーはFLASH時代から続いたブラウザゲームの長い歴史とともに歩んできたイベントである。

(このように書くと、さもすごいイベントのように見えるが、実際はかなり緩くて刺激的なイベントであった。最初期ではpng画像一枚で作られたすごろくが展示されていたくらいである。)

1日でめっちゃ自信作ができた

さて、このあほげー第36回のテーマは「キラキラ」だった。

今から24時間以内にキラキラなものを作ればよいのだ。

お題発表は11/19(金) 21:00、締め切りは11/20(土)21:00でる。

厳密にいえば、24時間から12時間ほど遅刻した11/21(日)12:00に提出しても問題はないし、テーマの「キラキラ」もほんの少しでもかぶっていれば全然問題はない。あほげーはゆるいイベントなのだ。

いつも自分はお題を聞いてからちょっと考えて寝てしまうので、実際にゲーム制作に着手するのは翌日11/20(土)の朝方となる。

結論から言えば、今回あほげー用に制作したゲームが非常に自信作となった。ゲームとシナリオがとてもよく絡んだ自分の理想形の一つと呼べるようなゲームができた。

ゲーム制作は最初のアイデアとひらめきがとても重要だと思うのだが、今回それがとてもうまくいったのだ。これはなんとかして次回以降も同じように思いつけるようにしたい。

自分は毎月1本ゲームを公開しているのだが、たいていの場合はいつも難産となる。最初のアイデアが不十分で、なんとか面白く捏ね上げている。今回みたいにうまく序盤から良いアイデアを思いつきたいものである。

偶然のアイデアに再現性を求めるのは酷な話であるのだが、そこをなんとか糸口をつかみたい。

そこで今回は「よいアイデアがひらめいた過程」を書いていき、そこからうまくいったときのコツみたいなものを見つけていきたい。

ここからの文章は、かなり関係のない蛇足文章が大量に入っているがお許しいただきたい。

ひらめきは、一見関係のないアイデアが一つの線で繋がるときに起きるもの。もしかしたら余計な思考にこそグットアイデアの一旦が込められているのかもしれない。

最後にはなんとかしてまとめた「うまく思いつくコツ」を書いた。この記事があなたのひらめきを誘発できたら幸いである。

最初の手札とおもいつき

はじめにいうと、自分はイラストが描けない。どうしても画像がそろわないときに自力でイラストを描くこともあるが、あまりクオリティが高くならないため、素材をお借りしてくることがほとんどである。

なので自分がゲーム制作するときの武器はゲームの企画とシナリオ制作、プログラミングである。この手札をうまく組み合わせていつもゲームを制作している。

ただ、今回はイラストに関して強力な助っ人をおよびすることができた。

脱出ゲームを主に制作しているサスガチヨ(@petithima)さんである。

今回はひょんなことから脱出ゲーム用のイラストを提供してもらっていたのだ。サスガチヨさんは私と対照的にイラストは書けるけどプログラミングは苦手というタイプだったので渡りに船であった。

その時もらった画像がこちら。部屋の四方向の図面とドアの開閉画像である。

脱出ゲームで使用できそうな空の部屋画像

この画像を見たとき、「あ、引っ越しするときに空っぽになった自分の部屋みたいだ」と思った。

私は社会人になってから実に5回も引っ越しをしている。我ながらびっくりする引っ越しっぷりである。

おかげでマイナンバーカードの住所は枠に入りきらなくなり、そのせいで一回失効してしまった。住所枠に入らないほど引っ越しを繰り返すと失効するという事実を知っている人はほとんどいないだろうから、もしそのような状況になったら失効する前に再発行してもらうことをお勧めする。マイナンバーがないと確定申告をするときに面倒になるので、特に確定申告前の年始は気を付けたいところである。

さて、この引っ越し前の空っぽになった部屋というアイデアが今考えても秀逸なアイデアだったと、いまだに自画自賛してしまう。ここからゲームのメインアイデアが浮かんだのだった。

ここで、脱出ゲームと同じような仕組みで指定された荷物を部屋から探して梱包するゲームを作ろうを思いついたのだ。部屋に散らかっている私物をすべての荷物を回収して、空っぽの部屋にしたらゲームクリアだ。

クリックで荷物を回収するゲームアイデア

空っぽの部屋を見たらキラキラしているから、まあテーマにもかかっているはずである。(テーマはおまけ程度で構わないのがあほげーのよいところである。)

普通に脱出ゲームを作ろうとするとゲームの謎を作ったりと大変そうだったが、クリックして荷物を回収するだけならかなり簡単にシステムが作れそうだ。

ただ、これだけだと足りない。私は意外な展開を作ることが大好きな人間なので、何かこの引っ越しゲームに一つ意外な展開を加えたいと考えていた。

そもそも引っ越しする理由は何か。より住みやすい部屋を見つけたということもあるだろうか、それよりも多い理由は環境の変化である。

今回はネガティブな要因を主題にすることにした。つまり、強制退去である。

この画像の部屋にはトイレも洗面台もないので、おそらく寮の一室だろう。寮から追い出されるということは、期待された役割が全うできなくなったからである。

また、主人公は青年の方がいい。物語の主人公は未成年の方が多くの人が感情移入できるという利点がある。子供は大人になったことはないので感情移入には限界があるが、大人は一度子供だったからだ。

そこで今回は野球青年が、野球をできなくなって、部屋から追い出されるという話にすることにした。本編ではこの事実を伏せていて、部屋を片付けていくと、その荷物から主人公の人間像と追い出される理由が明らかになるという仕組みにしよう。

また、「かわいい女の子キャラ」をこのゲームのシナリオに含めることにした。

かわいい女の子キャラはとりあえずどのゲームにも入れておいて損はない。基本的に美少女との出会いや恋愛は人間一番興味をそそる要素の一つだからである。また、宣伝資料を作成するときに女の子キャラを載せると目を引くことができるというメリットもある。

このあたりから、自分のアイデアがかなり面白いものになるのではないかというワクワク感があった。

ゲームと世界観が高度に結びついているゲームになっているからだ。引っ越しの荷物を回収していくと、徐々にその周囲の世界観や隠されたシナリオが明らかになるのだ。

ゲームとシナリオを結びつけるのは非常に難しいが、うまくいけば人を多いに感動させる力を持っている。これは、ゲームが主体的な行動を行うものであり、その中のシナリオに深く没入することができる効果を持つからだと思っている。

さて、これでうまくいきそうなゲームシステムとその世界観ができた。これをもとに具体的なイラストの指示書を作成する。

さっそくサスガチヨさんに相談して、必要なイラストをお願いしよう。

締め切り12時間前の11/20(土)9:00、サスガチヨさんに今回のあほげーイベントとこのゲームのアイデアを相談することにした。

「今日が締め切りのイベントなんですよ・・・」と突然イラストをお願いにいくのはさすがによくないなと思っていたのだが、サスガチヨさんは快くイラスト制作を引き受けてくれた。本当に感謝の限りである。

部屋に配置する荷物は20点ほど考えていた。部屋は人柄を表すとはよく言ったもので、部屋の荷物から主人公の人となりを説明するのは思ったよりも簡単であった。

バットやユニフォーム、制服を部屋に置いておくだけでも「主人公は野球部の高校生」という情報がすぐに伝わる。

本当に部屋はその人の人間性を如実に伝えてくれるものだと思う。私は以前、「人の好みを知ることで、その人に共感することができる。共感は人が社会的に生きるために生まれた原始的な快感である」と提唱していたのだが、この部屋からわかる人間性を題材としたゲームは今回とは別に制作していきたいところだ。

ヤンデレ彼女のおうちに呼ばれたら制作秘話
【簡単大富豪ゲーム】ヤンデレ彼女のお家に呼ばれたら、というゲームの苦労多き制作秘話と、クリア率・エンディング分岐率の考察を書きました。

サスガチヨさんも2時間おきに部屋の荷物イラストを描いてくれたので、予想以上に早く進めることができた。

私も開発を進めて、18:00位には基本的なシステムが一通り完成していた。

また、サスガチヨさんの作業もすさまじいスピードで進み、20:00前にはすべての必要画像が全て揃った。

いよいよ開発もラストスパートとなった。

時刻は2021/11/21(日) 1:24。締め切りの21:00をとっくにオーバーしている。だがあほげーに締め切りはない。

開発を続行する。脳内はアドレナリンがドバドバ放出されていて、集中力も最高に高まっている。

BGMを入れて、メインゲームをクリアした後の後半戦のシナリオを描き切り、エンディングも完成したところで、ようやくゲームを公開することができた。

2021/11/21(日) 6:00ごろであった。ゲームを自分のサーバーにアップロード公開した後はそのまま泥のように寝た。

完成したゲームはこちら

・引っ越し当日 走り出す前

引っ越し当日、部屋の荷物を探して段ボールに梱包して感傷的になれるゲームです。

こうして無事にゲームを公開した。わかりやすいルールからの後半戦へのシナリオ導入は我ながらすごく良くできたと思う。サスガチヨさんのイラストも短時間で制作したとは思えないほどすごくクオリティが高い。

さて、このゲームはこの36回あほげーで優勝することができた。多分多くの人を感動させることができたからだと思う。ゲームからシナリオ感情移入までの誘導がしっかりできたおかげである。

よく考えるとあほなゲームではないのだが、あほげーは緩いイベントなので許される。そう、許されるはず・・・である。

これが、あほげーに参加してゲームを公開するまでの顛末である。

ちなみにエンディングにある重要な選択を迫られるのだが、これはサスガチヨさんのアイデアである。やはり思いついたアイデアはだれかに壁打ちするつもりで相談するとよい方向に膨らむことが多い。

また、基本的に自分は「ゲームのエンディングを分岐させて、どちらが多く選ばれるのか調査する」という趣味があるのだが、このゲームでも適用させてもらった。結果はクリアしてからのお楽しみに。

うまくひらめく方法を考える

さて、この一連の製作の流れを振り返って、どうにか再現性のあるものにしたいと思う。

この記事を書きながら色々考えてみたのだが、やっぱり基本的にひらめきは運であると思う。

ただ、もう少し掘り下げてみると、とりあえずいくつかヒントみたいなものが思い浮かんできた。

何かテーマを一つ決めること

今回のあほげーのテーマ「キラキラ」のように、何か一つテーマがあるとそこからアイデアを膨らませやすい。自分の関心があるテーマの方がよりワクワクして制作できると思うので、何か一つお題を決めてしまうのがよさそうである。

自分だけの感性を大切にすること

「引っ越しで空になった部屋はキラキラしている」という発想自体は自分だからこそ思い浮かぶアイデアだと思っているので、もしかしたら「自分だけの感覚を大切に持っていること」はひらめきのためにとても大切なものなのかもしれない。

アイデアを誰かに相談してみること

また、思いついたアイデアを誰かと共有することで、もしかしたらそのアイデアを深めることができる可能性がある。これは相手にもよるので、しっかり発想を膨らませられる相手を探すところからはじめてみるとよいかもしれない。

いたずら心をもつこと

私は「シナリオに悪意を入れて、意外性を生む展開を作る」ことが大好きである。

誰だって「アッとびっくりするような展開」を作りたいはずである。そのためにも、ある程度は王道の展開を意識して制作して、最後にいたずら心を加えてひっくり返してみるとよい。いたずら心を持って制作すると高いモチベーションを保ちつつ制作に取り組めることが多く、結果として面白いものが生まれやすい。

まとめ 

以上でうまくいった創作の話と、その時から学んだひらめき方の話を終える。

シナリオに関してこれに付け加えるなら「そのシナリオが抱えるテーマや問題点と向き合い、きちんと解決してハッピーエンドにすること」を私は心掛けている。

ハッピーエンドを作ることはとても難しいことである。少しでも問題から目をそらすと、とてもご都合主義的な解決になってしまうことがあるからだ。

こればっかりは自分の人生哲学に語り掛けて納得のいく答えを考えるしかないので、人生経験つんで自分なりの答えを見つけるしかない。その自分なりの答えこそが、あなたにしか作れない作品へと繋がっていくのだ。

ひらめきが光るゲーム一覧

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