面白いゲームを作るためのTIPSをまとめました
今から10年前、当時学生だった頃からゲーム制作を続けているのですが、
10年もゲーム制作をしているとさすがに「こうすると面白くなる」という知見が溜まってきました。
溜まった知見を言語化することで、自分の作品を見直すきっかけにすることができます。
この記事では、自分への自戒を込めまして「こうするとゲームは面白くなる」というTIPSを雑多に書いています。
あなたが今制作中のゲームで参考になれば幸いです。
ゲームのメカニクス編
まずはゲーム部分だけで面白いものを作る
肝心のゲーム部分が面白いことがまず第一です。世界観やシナリオよりも、まずはゲームのメカニクスが面白いのかをしっかり練っていくことが大事です。
ゲーム部分だけを先に制作して、面白いことがわかったら、そのあとでストーリーや世界観を取り入れていきましょう。
ゲーム制作を始めるにあたって、まず世界観から思い浮かぶ方って多いのではないかと思います。
これはそもそも「ゲーム制作をはじめたきっかけが、既存のゲームに影響をうけた」という人が多いからだと思っています。
FFみたいなゲームを作りたい!と考えると、まずゲームのメカニクス部分よりも世界観の再現を目指してしまいます。
が!世界観だけ固めても肝心のゲーム部分が面白くないと、ゲーム全体がつまらないものになってしまいます。
ゲームがつまらないからモチベーションが上がらずに、最終的にはゲーム制作自体に飽きてしまい、完成しない!という悲劇がよくあるので注意しましょう!
シンプルでわかりやすいルールからはじめる
退屈なチュートリアル説明はない方がよいです。ソシャゲーのチュートリアルを例にすると、みんな連打してほとんど見ていない方が多いのではないかと思います。
まずはチュートリアル説明を読まなくても遊べるようにしましょう。
実際に動かしながらルールを体得するという流れが実現できれば、一番ストレスなくゲームにのめりこんでいくことができます。
一番手軽でよかった方法は、ゲームの背景画像に「操作方法を図解で載せる」ことです。
これなら、背景画像に示された通りに遊びながらルールを体得することができます。
この方法を実現するためにも「ゲーム序盤は機能を制限してシンプルにする」ことを考えてみてください。
ある程度進むと徐々に機能を増やしていくことで、プレイヤーは段階的に操作を学んでいくことができます。
この段階的な学習を実現するためにも、ゲーム制作段階から「シンプルなメカニクスでも面白いゲーム」を目指していくと導入が簡単にできるかと思います。
・・・言葉だと簡単ですが、実際に考えてみると結構難しいですけどね!
自分もよく長々とチュートリアル画面を作ってしまうので!反省!
導入パートは可能な限り短くしないと飽きる
世界観やシナリオを重視したゲームほど陥りやすい罠ですが、「序盤のノベルパート」は長ければ長いほどプレイヤーの離脱率が高くなります!
自分もよくこの失敗を犯してそこそこ酷いコメントをもらうときがあるので気をつけましょう!
短く簡潔に「プレイヤーがキニナル要素だけをフックとして挿入する」程度にすると効果的です。
ここで著者が犯した失敗例を載せていきます。
・失敗例
https://hothukurou.com/game/Ageage3/index.html
このゲームは、序盤の長いノベルパートに飽きてしまうほど長文OPなのですが、
前作が好評だったので、そこまで遊んでくれた方は最後まで遊んでくれたというナンバリングに助けられた例であります。ブランドって大事ですね。
逆に言えば「この人のゲームは面白いから文章もちゃんと読む」という保証があると強いです。著者もこれを目指して日夜ゲーム制作・公開を繰り返しています。
が、それでも基本は「OPは可能な限り少なくするべき!」ですね。その方がみんな遊んでくれます。
拡大再生産ゲームは面白い
拡大再生産ゲームとは、「利益をより大きくする」ゲームを指します。
クッキークリッカーが主たる例かと思います。クッキークリッカーでは、クリックするとクッキーがもらえるのですが、このクッキーを支払うとよりクッキーが稼げるアイテムが購入できます。
このシステムをより応用したゲームは世の中にたくさんあります。
ドミニオン、カタン、モノポリー と、たくさんのゲームが拡大再生産ゲームのルールを用いて面白さを広げています。
稼げるスコア量がだんだんと増えていくという要素が、人間の成長欲を刺激しているのでしょう。
この仕組みを展開していけば、面白いゲームはどんどん作れると思います。
著者も拡大再生産を用いたゲームをたくさん作っています。ぜひぜひ遊んでみましょう。
・大きなお花をありがとう
https://hothukurou.com/game/GrowFlower/index.html
・新聞少女の多忙な一日
https://hothukurou.com/game/NewsPaper/index.html
・デッキ構築RPG ミツデススレイヤー
https://hothukurou.com/game/ThreeCardRPG/index.html
ペナルティは付けない方がよい
ボーナスはどんどん与えた方がよい
ゲームを作っていると、「プレイヤーv.s.作者」を意識してしまうあまり、つい理不尽に難しいゲームやペナルティが大きいゲームを作ってしまうことがあります。
ゲーム内で失敗したことによるペナルティ要素は極力なくした方がよいです。
これをするとうまく行かなかったプレイヤーが飽きてしまう恐れがあるからです。
唯一ペナルティが許される例は「失敗したことがネタになるほど面白い」時です。「人生オワタの大冒険」や、「I wanna be the guy 」のような理不尽ゲームを楽しむスタイルならばこの限りではないです。
逆にボーナスはどんどん与えていきましょう。
例えば、20問正解すると得点が10倍になるボーナスチャンスを作ると、そのボーナスを目指してプレイヤーは何度も繰り返しゲームを遊んでくれるようになります。
ある意味射幸心をあおるような行為ですが、ゲームにこのようなメリハリをつけると、長く遊んでもらえるのでおススメです。
英語おしえて!ミーアせんせい では、この仕組みと拡大再生産の仕組みを取り入れて英単語を楽しく学習できるようにしています。
https://hothukurou.com/game/Quiz/index.html
演出はゲームを面白くする
ゲームを面白く見せるための技術として、「演出にこだわる」というものがあります。
演出はゲームのメインロジックとは異なり「後から追加できる要素」なので、メインのゲームパートが完成したらこの部分にこだわるとより面白いゲームになります。
獲得したスコアがバウンドしたり、敵に与えた時に爆発のエフェクトをつけたり・・・と色々工夫してみると爽快感が上がるのでおススメです。
ゲームのシナリオ編
序盤に気になるフックを入れよう
物語の序盤に「何かキニナルなあ」と思わせる要素を入れましょう。
例えば、これです。5分だけ遊んでみてください。
・アゲアゲ君と僕のほろ苦い青春
https://hothukurou.com/game/Ageage/index.html
このゲームの序盤、あなたの学園生活を決めるスロットが登場するのですが、これが「キニナル」フックになっています。
遊んでいただけたらわかるのですが、このスロットの結果は確定で「クソみたいなボッチ学園生活」が当選するようになっており、この急転直下の展開に「この後どうなるんや・・・!」をプレイヤーの心にフックをかけることができます。
フックのかけ方は他にもあります。
例えば「世界を革命するために君の力が必要なんだ」というゲームでは「何か裏がありそうだな・・・」と思わせる展開を序盤に植え付けています。
https://hothukurou.com/game/Butterfly/index.html
黒い軍服の美少女に「世界を革命するためには君の力が必要なんだ」と言われたら、そりゃあうなずくしかないと思うのですが、
この後プレイヤーは「どう考えてもこの展開には裏がある」とキニナル要素を残しているのです。
このフックがあれば、その謎を解明するために世界観にどっぷりとつかってくれます。
シナリオ、世界観はゲームを魅力的に感じさせるために必要な要素です。ただ、その世界観に没入させるためには、最初に世界観に関心を持ってもらうためのフックが必要不可欠なのです。
最後はきちんとオチをつけよう
物語の終着点には、必ずみんなが納得できるようなオチをつけましょう。
オチをつけるためには、以下の物語のテンプレートを抑えておくとよいです。
上記の記事では「世の中には物語のテンプレートが数えるほどしかない」というSAVE THE CAT に書かれた映画の脚本術を元に、どうすれば観客が楽しめる作品を作ることができるかについて書いています。
自分の作っているゲームのストーリーがどのテンプレートに当てはまるのか考えた上で、最適なオチを発見すると「クリア後に心に残り続けるゲーム」を作れるのではないかと思います。
以上です。ゲームを面白くするためのTIPSについてまとめました。
自分もよく「あ、今制作中のゲーム、OP長すぎて飽きるな・・・」とTIPSを見返して自省していたりします。ぜひゲームの製作途中に見返して、自分のゲームは満たしているかを確認してもらえると幸いです。