会社の鉄棒にイベントフラグが設定されていた話

私の会社の広場には、鉄棒が設置されています。

 

上の写真のような公園にあるものではなく、もっと長い懸垂(けんすい)用の鉄棒です。

私が働いている会社は自社工場と一体になっており、よく工場勤務の方が定時後、ここで筋トレをしておりました。

デスクワークで最近体が訛っているなと思っていた私は、その姿を見て「いいな~肩の凝りも治るかもしれない」と思い、毎日帰りにそこの鉄棒で懸垂をするようになりました。

はじめは5回ほどしかできませんでした。

高校生の平均懸垂回数がだいたい6~7回らしいので、高校生以下の筋力です。

 

 

が、諦めず日課として懸垂を続けていくにつれ、6回、7回と一度にできる懸垂の回数が増えていきました。大台の10回達成を目指して・・・。

 

そして、その時はやってきたのです。

 

「9回・・・」

「10回!」

 

 

懸垂10回を達成したその瞬間、どこからともなく拍手が聞こえてきたのです!

拍手人「いや~すごいですね!10回もできるなんて」

なんと全く知らない人から称賛の拍手が!

 

 

 

突然の拍手にビックリしましたが、状況はなんとなく理解できました。

 

 

これは・・・もしかして・・・。

 

 

 

 

 

特殊イベント達成で実績解除したってこと!?

 

 

いやーまさかこんなところに隠しトロフィーがあるとは夢にも思わなかったです。こんな会社の鉄棒にもイベントを設置しているなんて、製作者の粋を感じます。

私「ありがとうございます!」

拍手人「いやー、すごいですね。いつからこんなに回数重ねられるようになったんですか?」

私「今回がはじめてですね。昨日あたりで9回までできていたので、今日はできるかなと思ったら、できました。」

 

 

 

・・・と、顔を向けると、向こうは「あっ・・・」とした顔。

ここではじめて本当の状況を理解しました。

 

 

 

この人、私を他の人と勘違いしていないか?

 

お互いなんとなく状況を共有し、つかの間の間があった後・・・。

 

 

拍手の人は去っていったのです。

私は少し呆然と立ち尽くしていましたが、この後すぐに帰りました。

 

 

 

 

以降、懸垂10回を達成してもこのイベントは発生しなくなったので、懸垂をすることもなくなりました。

 

なんてことない話ですが、鉄棒ひとつで人間の欲望が被害妄想と化すことになるなんて、

なんて哀れなのでしょうか。

 

しかし、人生という名のゲームは、本当に細かいところまで作りこまれているなと感じた次第であります。