まだ何物にもなれなかった暗黒時代を思い出そう・・・!
小学校高学年から中学生までの時期、
この時期が一番ゲームやアニメにのめりこんでいた気がします。
あの頃は何時間でもゲームに集中できたものですが、社会人になり30も目前となった今ではとてもそこまで時間を割けなくなってしまいました。
ただ、あの頃感じた物語に対してのワクワク感は今でも覚えています。
小学5年生の頃に「新聞欄を見たら深夜にアニメやってる!」と気が付いて、実際に深夜起きて確認してハマってしまった「あずまんが大王」は今でも覚えています。
あれがあったからこそ、私はオタクとして目覚めてしまい、中学生は無事に暗黒期に入ってしまったのです。
特にエヴァンゲリオンや最終兵器彼女のような「セカイ系」にはどっぷりとハマってしまいました。
ダークな世界観。何か難しい策略を張り巡らせる黒い上層部。そして、女の子に興味が出てきたあの頃、運動神経が悪くて学校からつま弾きにされていた私の自尊心をくすぐってくれた綾波レイとアスカ・ラングレー。
ひねくれた見方をするならば、女の子と仲良くなりつつ一人前の男として成長する少年の物語にとてもワクワクしたものです。
そんな中学生の頃のファンタジーに対するワクワク感を思い出したくて、セカイ系をモチーフにした中二病心を思い出せるようなゲームを制作しました。
タイトルはズバリ・・・
世界を革命するために君の力が必要なんだ
https://hothukurou.com/game/Butterfly/index.html
1~2時間で中二病だったあの頃求めていたワクワクを思い出すはずです。この記事を読み終わった時でも遊んでみていただけると幸いです。
さて、本ゲームを制作するにあたり、「中二病だったあの頃に求めていた物語に必要な要素は何か」という命題考えていました。
今回それをまとめてみたので、発表したいと思います。
読みながら、中二病だったあの頃の思い出を逡巡していただけたら幸いです。
中二病が好きな物語にありがちな四要素
1.主人公に自分の価値を認めてくれない社会へ対する不満があること
第一は社会への不満です。
親の愛情から離れ、学校という社会での評価を意識しだした中学生は大抵「自分の価値を認めてくれない社会への不満」を持っていたと思います。
学校内のヒエラルキーが低い人であればなおさらです。
物語の主人公に同様の不満を持たせることで、結果として主人公への感情移入を助ける効果があります。
これは映画の脚本術「save the cat」で紹介されていた「困難に立ち向かう平凡なやつ」と同じ手法と考えていいでしょう。
主人公の弱みを見せることで「ああ、この主人公は自分と同じ存在だ」と思わせて感情移入を助けることができます。
そしてこの社会への不満は物語の原動力となります。この不満を解消する要素が2番目と3番目になります。
2.主人公にだけ特別な力が備わること
社会への不満にただ無気力に生きる主人公に対する救い、それが外部からもたらされた特別な力となります。
エヴァンゲリオンだったり、実は偉大な魔法使いの子孫だったり、彼女が最終兵器だったりと様々な状況により、主人公は「他の人間とは異なる使命」を帯びることになります。
さて、この特別な力でいかに自己承認欲求を満たすことができるのかという話になるのですが、
この圧倒的な力により、「自分を馬鹿にしてきた相手を圧倒する」という使い方がまず思い浮かびますが、これは悪役が行う方法です。
決してスマートな方法ではないばかりか、逆に真のヒーローによってぶちのめされてしまうのが関の山です。
僕たちが求めるのはその特別な力が何であるかというよりも特別な力を与えられたことで、自分だけに特別な使命が与えられるという結果なのです。
その使命の大きさにより、主人公や主人公に感情移入した我々は社会で必要とされているという自己承認欲求を満たすことができます。
つまり、自分を馬鹿にしていた相手よりも自分はもっと崇高な使命のために生きているのだという使命の大きさにより、自尊心を回復するのです。
このあたりは大人になっても何かしらの形で持っているものですね。使命感を持つと、社会で認められたような気分になりとても気持ちがよいものなのです。
中二病と大人の違いを述べるならば、それが地に着いた自尊心か、絵にかいた餅のような現実味のないものかという差なのかもしれません。
さて、自己肯定を感じる要素として、物語には特別な力以外にも欠かせない要素があります。それが、3番目となります。
3.可愛い女の子がいて、その子に色欲を覚えて成長すること
自分を肯定するために欠かせない要素とは何か、それは美少女です。
具体的に言うと、庇護欲のある守り甲斐のある美少女か、単純に一緒にいて楽しいワンパク美少女のどちらかがいれば、その女の子を守るために主人公は一人前の男になるべく成長します。
もっというと性欲を成長力に変えて少年は成長します。このあたり、エヴァのシンジがそのまんまですね。
美少女に囲まれてワイワイ楽しむのは青少年の夢であり憧れです。これが現実で実現できたらもっと楽しかっただろうに・・・!
まあしゃあない、とにかく自分を認めてくれない社会に対して、自己肯定感を得るために「愛する美少女」が必要なんですね。
そして、その美少女のために少年は成長する・・・!それが青少年のロマンなのです。
そして、セカイ系と呼ばれるようになったこのあたりのジャンルの終盤が4番となります。
4.世界の存亡をかけた判断を子供のままの狭い価値観で判断する
そう、少年は成長の果てに世界の存亡にかかわる事件に巻き込まれていくことになる訳です。
世界の存亡なんて、現実の社会では一回の少年が関われる訳がないのですが、それが色々あって関われてしまうのです。
そして、少年は少し成長した程度の子供の価値観で「愛」を叫んだり「深く絶望」したりするのです。
結論として世界が崩壊しても問題はありません。結局は主人公の精神世界で結論が締めくくられるケースが多いですね。
大事なことは「起きた事件」ではなく自分が「世界の命運にかかわっていること」です。
1番で説明した通り、「社会で認められない自己承認欲求の欠乏」が問題なので、最終的に「世界の大事件に関われたことによる自己承認欲求の回復」でハッピーエンドになる訳です。
世界が滅びようが関係なく、「自分が社会的に大切な役割を果たしたこと」が大事になる訳です。
そういう内容の物語を読むことで、僕たちはワクワクして、当時現実で報われなかった自分のプライドを回復できるのであります。
現在のラノベを見ると「異世界に飛ばされた主人公が、その世界で成長して受け入れられるパターン」を見ますが、効能は同じ自己承認欲求の回復です。
僕たちはそういうハッピーエンドを見て、たとえフィクションでも自己承認欲求の回復に努めるわけです。
中二病から目覚めるとき
でも、現実の僕たちはいつか現実と向き合わなければいけなくなります。
それが受験であったり、就活であったりと様々なタイミングがあります。
自分が思っていたよりも、頭がよくなかったとか、
カッコいいと思ってワックスで髪の毛をクラウドみたいに立たせていたらめっちゃ馬鹿にされていたとか、
そういった社会からの干渉によって僕たちは現実に引き戻されることになるのです。
そしていつかは自分を社会に収まるサイズに変形縮小してはめ込むことで、社会に溶け込み、社会に順応できるようになるのです。
カッコつけることをやめて、愛想よいいじられキャラとして愛されるようなケースもあれば、
束縛からの解放宣言と銘打って学校の窓ガラスを全部割ってものすごく怒られて反省することで、丸くなるなんてこともあります。
また、敵視していた社会を支える大人たちがいかに大変な仕事をしているかを思い知ることで、「自分の不満に折り合いをつける」ということを学び、改めることになります。
とにかく、背伸びして自分を大きく見せていたことに対しての代償を支払うことで、人は等身大の生活を送ることができるのです。
これがよいか悪いのかはわかりませんが、社会に溶け込むことで、学生ならば友達と普通に楽しい毎日が送れるようになりますし、社会人ならばお給料と安定した生活が送れるようになります。
そして、人はファンタジーから離れ、社会から与えられた役割に自分を当てはめて、退屈な日常にモチベーションが徐々に取られていくわけです。
もし、これを読んだあなたが日常の無気力感に囚われてしまったのならば、今一度中二病だったあの頃を思い出してみてはいかがでしょうか。
自分が何者でもなく、それでいて何者かになろうとしていたあの頃に。
僕たちは大人になり、たくさんの反省やどうにもならないことを知りました。
そんな経験を知った今だからこそ、もう一度社会を革命しようと心の枷(かせ)を開放してみませんか。
自分を大きく見せることで、より多くの挑戦を行うことができるのだから。
改めて、今回制作したゲームを宣伝します。
・世界を革命するために君の力が必要なんだ
https://hothukurou.com/game/Butterfly/index.html
ミーナちゃんは、あなたと一緒にこのクソッタレな世界を革命しようとしています。あなたは、そんな少女と一緒に、世界の果てを目指して冒険を行うのです。
革命の果てには、果たして何が待っているのか。現実世界に帰り、社会の一員に収まってしまうのか、それとも・・・。
続きは、ゲームでどうぞ。(1~2時間でクリアできると思います。)