スパワールド世界の大温泉に深夜行ったらサバイバルだった

2017年9月16日(土)

敬老の日が月曜日にあるため、三連休最初のおめでたい日である。

しかし、私は不安と疲れで完全にダウンしていた。休日出勤でPM9:00まで出勤していたが、その甲斐もなく、仕事がほとんど進んでいなかったからだ。次の出勤日が怖い。

 

出張帰りの電車内で、ぼんやりと考える。こんな状況で残り二日の休みを楽しむことができるのだろうか。

 

 

そうだ、新大阪駅で降りて、スパワールド世界の大温泉に行こう。あそこで仕事の垢を落として、すっきりした状態で休日を迎えよう!

・世界の大温泉HPよりhttps://www.spaworld.co.jp/onsen/

 

世界の大温泉では、ヨーロッパゾーンとアジアゾーンという、二種類のコンセプトの大浴場がある。月別に男女が入れ替わるのだが、今月の男湯はアジアゾーンであった。

本当はヨーロッパゾーンの方が広くてよかったな・・・。と思いつつ、もう終電から降りてしまったので、仕方なく世界の大温泉の最寄り駅、新今宮駅へ向かう。

 

 

 

世界の大温泉はかなり大きな健康ランドである。大浴場以外にも岩盤浴やレストランが充実していて、今大阪で一番ホットでリラックスできる施設なのだ。

入館料はいつも1200円である。この価格はどうもサービス価格らしいのだが、通常料金の2700円では客足が伸びないので、しょうがなく1200円を続けているとのことだ。

世界の大温泉HPより

 

今回は深夜料金1300円が追加されるから2500円の入館料である。一晩泊まれると思えば十分に安い。日々の激務でへばりついた鬱憤を取り除こうと私は新今宮駅を降りた。

 

目的地までの道、北は新世界、南はあいりん地区となかなかにディープな世界が広がっている。そんな危ない平行棒のような道をまっすぐ進み、目的地のスパワールドにたどり着いたのだ。

 

 

風呂に入る前に館内で休憩する。気まぐれにインスタ映えする電球ソーダを買った。

電球ソーダの底についているLEDがチラチラと光っている。なぜ人間は疲れるとしょうもないものに手を出してしまうのだろう。写真をtwitterに上げて私は大浴場へと向かった。

 

 

大浴場は本当に快適だった。はじめの一時間ですべての風呂を制覇してから、いつもの定番コースであるサウナ⇒水風呂を3往復した。熱と寒で自律神経を無理やり調節させる。これに耐えるとどんなバットステータスも回復するのだ。

 

 

世界の大温泉にはプールもついている。

どうせ空いてないだろうと思っていたら普通に営業していたので水着をレンタルして行ってみることにした。

深夜にかかわらず、そこそこ大きいウォータースライダーも普通に営業していたので年甲斐もなく遊んでしまった。周りを見ると、他にも遊んでいるグループがいる。ビキニの若い女の子達、大学生サークルの集まりっぽい男集団が何度もウォータースライダーに乗って絶叫している。

 

流れるプールでは、中年男性から平泳ぎの指導を受けている30程の女性がいる。この空間にいる者は皆、精神年齢が中学生に若返っているのかもしれない。

世間ではナイトプールでおしゃれとインスタ映えを追求する若者が多い中で、こんな空間もあるんだな、悪くないなとしみじみ感じた。

 

 

 

お風呂⇒プール⇒お風呂と十分に体をリラックスさせたところで、時刻は午前三時、いい加減眠気が最高潮に達してきたのでレストルームに向かうことにした。

廊下を歩くと地べたでゴロゴロしている輩がいたので、土地柄なのかなー、なんか怖いなーと思いながらレストルームに向かうと、満席だった。

 

 

 

レストルームには眠れるところがどこにもないほどに人が詰まっていた。

他のレストルームも同じ。あまりにも人が多すぎて出口から廊下にはみ出して寝ている人もいた。

もしや、廊下で寝ていた人はこの惨状を見て、就寝場所を求め放浪の旅に出た、その成れ果ての姿だったのか。とそのときようやく気が付いたのだった。

そして私も、就寝場所を求めて放浪の旅に出た。

 

 

周囲の椅子には、誰かしらが占領している。椅子取りゲームにも負けてしまったのだ。

 

部屋の四隅で体育座りして寝ている人もいる。

 

様々な寝相コレクションを見ながらゾンビのようにふらふらと廊下を歩き続ける。

もし外の世界がゾンビに占領されていたら、中の施設に避難した一般市民はこんな感じに時を過ごすのだろうか。

 

放浪の旅の果てに、私はお風呂場に戻ってきた。

周りを見渡すと、風呂場の中でも寝ている人がいる。畳休憩スペースは人でごった返していた。さすがに寝湯では熟睡できまい。

どこかに安寧の場所はないものだろうか。

 

そこでようやく、露天風呂スペースの端にある畳ゾーンに空いているスペースを発見した。

9月の夜空を見上げながら、ぽこちん出して熟睡できるのか、少々心配にはなったが、私はそこでようやく眠ることができたのだ。

 

私の旅は、露天風呂の隅で終えることができたのだ。

 

朝になり、朝風呂を浴びなおした。そっちの気がある人にいたずらされていないか不安になりながら、世界の大温泉を後にする。

 

 

結局その日はずっと眠っていた。

長い旅路で疲れた体は、露天風呂で眠っただけでは回復することができなかったのだ。

 

そうして、大事な3連休のうち2日を消費してしまった私は、ゾンビの世界よりも恐ろしい、日々の業務に怯えながら最後の休みを過ごしていくことになるのであった。